老後資金の捻出、リースバックと一般的な不動産売却どっち?

老後生活を不安なく送りたい。少しでもゆとりある暮らしをしたい。でも資金が足りない・・・。
そういった時は、住まいにかけるお金を見直すのも選択肢の一つでしょう。
この記事では、老後の資金捻出の際にリースバックと一般的な不動産売却のどちらがお得なのかを解説していきます。
老後のライフプランを練る際には、是非参考にしてみてください。
リースバックって何?という方は、是非こちらをご参照ください。
【売却してもそのまま住めるリースバックとは】https://www.living-life.co.jp/kodate/sell/column/detail4.php

リースバックと一般的な不動産売却の違い

リースバックとは、持ち家を売ってまとまった資金を手に入れつつ、元の住人が売った家を借りてそのまま住み続ける方法です。
リースバックと一般的な不動産売却には次のような違いがあります。

1売却先
2売却金額
3売却益の現金化スピード
4売却後に住む場所
5家賃の有無
6リースバックと一般的な不動産売却の比較

1つひとつ詳しく見ていきましょう。


1売却先

一般的な不動産売却が個人との取引になるのに対し、リースバックの場合はサービスを提供している不動産会社や金融会社への売却となります。そのため、リースバックでは事前に取り決めさえしていれば家の買戻しも可能です。

2売却金額

リースバックの売却金額の目安は一般的な不動産売却相場の70~80%ほどです。
リースバックの場合、リースバック会社側は買い取った物件を自由に活用できないので、取引価格も安く設定されてしまいます。

3売却益の現金化スピード

売却益の現金化は、リースバックの方がスピーディーです。
リースバックではリースバック会社が家を買い取るので、一般的な不動産売却のように買主を探す宣伝や内覧・交渉などの売却活動がないためです。

4売却後に住む場所

一般的な不動産売却は引っ越して新しい家に住むことになりますが、リースバックはそのまま元の家に住み続けられます。

5家賃の有無

リースバックは家を借りる仕組みなので、家賃が発生します。一方、一般的な不動産売却では、新居が持ち家・かつ住宅ローンを利用する場合はその支払いを、賃貸なら家賃の支払いをすることになります。

リースバックと一般的な不動産売却の比較

リースバックと一般的な不動産売却の違いを表1.にまとめました。

表1. リースバックと一般的な不動産売却の違い
リースバック 一般的な不動産売却
売却先 リースバックサービスを提供している専門会社 個人
売却金額 市場価格の70~80% 市場価格
売却益の現金化スピード 最短1~2週間 約3ヶ月
売却後に住む場所 元の家 新居
家賃の有無 有り 持ち家か賃貸かによる

リースバックと一般的な不動産売却はどちらがいい?

リースバックと一般的な不動産売却はどちらがよいのでしょうか。
それぞれ、どのようなメリット・デメリットがあるのかを比較してみましょう。

1リースバックのメリット

リースバックには次のようなメリットがあります。

まとまった資金を素早く調達できる
管理費・維持費を抑えられる
相続争いのリスクが減る
住環境を変えずにすむ
名義が変わったことを近隣に知られにくい
買い戻し可能
年齢制限なし・保証人不要

リースバックでは売却活動がないので、家の代金を最短1~2週間ほどで受け取れます。
また、家の所有者はリースバック会社に変わるため、税金(固定資産税や都市計画税など)や保険料の負担もなくなります。
オーナーが変わるので、家の相続時の遺産分割で揉めることもありません。
リースバックの一番の特徴は今の家にそのまま住み続けることができる点ですが、所有権を手放したことは近隣に知られずに、資金が貯まったら再び買い戻すことも可能です。新居を別に探すとなると年齢制限や保証人の手配でスムーズに進まないことがありますが、リースバックならそういった心配もありません。

2リースバックのデメリット

リースバックには次のようなデメリットがあります。

資産として家を遺せない
取引価格が相場より安め
長期間住むと、得られる現金より家賃の総額の方が高くなる可能性がある
いつまでも住み続けられる保証はない

リースバックでは家の所有権を手放すので、資産として家を遺せません。
相続時に揉めるリスクは減らせますが、建物自体に価値がある・立地がよいといった好条件の場合は慎重に検討した方がよいでしょう。 
リースバックでの売却金額の目安は通常相場の70~80%ほどです。
契約内容次第ではいつまでも住み続けられるわけではなく、また長期間住むと最初に得た金額より家賃総額の方が高くなる可能性もあるため、よく考えて選択しましょう。

3一般的な不動産売却のメリット

一般的な不動産売却には次のようなメリットがあります。

高く売れる
住む期間に制限がない物件を選べる

一般的な不動産売却は、リースバックよりも物件を高額で売れます。
例えば相場価格3,000万円の家の場合、一般的な不動産売却ではそのまま3,000万円で売りに出せますが、リースバックでは2,100~2,400万円ほどでの買取となります。
600~900万円も違うのは、リースバックに比べて大きなメリットといえるでしょう。
リースバックには、契約更新する前提の「普通借家契約」と契約更新しない前提の「定期借家契約」があります。
普通借家契約の場合は賃貸期間を延長できますが、家賃が高めに設定されたり、契約更新のたびに上がっていったりすることがあります。
また、定期借家契約の場合は一度決めた居住期間を途中で変更できません。
その点、一般的な不動産売却では新居の選択肢が豊富で、住む期間に制限がない物件も選べます。

4一般的な不動産売却のデメリット

一般的な不動産売却には次のようなデメリットがあります。

売却に時間がかかる
新居が持ち家なら、相続争いが起こるリスクがある
新居が賃貸なら、年齢制限あり・保証人が必要な場合がある

一般的な不動産売却はリースバックと違い、買主を探すための宣伝・家の内覧・交渉といった売却活動をするため、売却するまでに約3ヶ月以上と時間がかかります。
新居が持ち家の場合は、相続時に揉めるリスクも生じるでしょう。
逆に賃貸の場合は、年齢制限や保証人などの点で物件探しが難航することがあります。

5リースバックと一般的な不動産売却のメリット・デメリット

リースバックと一般的な不動産売却のメリット・デメリットを表2.にまとめました。

表1. リースバックと一般的な不動産売却の違い
メリット デメリット
リースバック ・まとまった資金を素早く調達できる
 (最短1~2週間ほど~)
・管理費・維持費を抑えられる
・相続争いのリスクが減る
・住環境を変えずにすむ
・名義が変わったことを近隣に知られにくい
・買い戻し可能
・年齢制限なし・保証人不要
・資産として家を遺せない
・取引価格が相場より安め
・長期間住むと、得られる現金より家賃の総額の方が
高くなる可能性がある
・いつまでも住み続けられる保証はない
一般的な不動産売却 ・高く売れる
・住む期間に制限がない物件を選べる
・売却に時間がかかる(約3ヶ月ほど~)
・新居が持ち家なら、相続争いが起こるリスクがある
・新居が賃貸なら、年齢制限あり・保証人が
必要な場合がある

リースバックに適したケース

ここまで、リースバックと一般的な不動産売却に関して、その違いやメリット・デメリットをご紹介してきました。では実際に、リースバックはどのような時に選択すればよいのでしょうか。リースバックに適している状況の具体的な例を挙げていきます。リースバックに適しているのは、次のような状況です。

1一定期間、今の家に住み続けたい
2一時的に家計に余裕がないが、将来家を買い戻したい
3住宅ローンの負担を減らして、家計を見直したい
4早急に資金が必要


1の状況としては、高齢者施設に入居するケースなどがあてはまります。リースバックを選択すれば、入居費用としてまとまった資金を調達しつつ、実際に入居するまでの期間を自宅で暮らすことができます。

2の状況としては、事業が失敗してしまったが今の家に住み続けたいというケースが考えられます。リースバックを選択すれば、生活レベルを落とさずに今の家に住み続けることができ、事業がまた軌道に乗れば再び今の家を買い戻せます。

3の状況は、住宅ローンが収入に見合っておらず負担が大きいケースです。リースバックを選択すれば、住宅ローンが苦しくて家計を見直したい時に、今の住環境を変えずに家の売却代金でローンを一括返済できます。

4の状況としては、急な家族の入院などが考えられます。リースバックを選択すれば、急にまとまったお金が必要になった際に、他の家族が今の住環境を変えずに資金を調達できます。

総括すると、リースバックは「緊急に資金が必要になった」「期間限定で住む」といった場合に向いているといえるでしょう。


一般的な不動産売却に適したケース

対して、一般的な不動産売却はどのような時に選択すればよいのでしょうか。具体的な例を挙げていきます 一般的な不動産売却に適しているのは、次のような状況です。

特に今の家にこだわりがない
できるだけ高値で家を売りたい
売却に時間がかかっても構わない
住み替え先が決まっている

「今の家や住環境に特にこだわらず新しい土地にも抵抗がない」「売却時期を特に焦っていない」といった場合は、一般的な不動産売却をした方が手元にお金が入るでしょう。
実家に戻る・違う地に転職するなど、住み替え先が確保されている場合も一般的な不動産売却に適しているといえます。

Q&A
Q リースバックを利用できないのはどんな状況の時ですか?

A

持ち家がオーバーローンの場合は利用できません。
オーバーローンとは、家の売却代金より住宅ローンの残額の方が多く、売却しても住宅ローンを完済できない状態のことです。
住宅ローンが残っている場合は債権者(住宅ローンを借りた先)が抵当権を持っています。そのため、家の名義がリースバック会社に移っても、抵当権を抹消しなければ物件が競売にかけられてしまう可能性があります。従って、リースバックを利用するには住宅ローンを完済できる目途が立っていなければなりません。

Q 家を買い戻したいのですが可能ですか?

A

可能です。一時的に家計が苦しくて家を売ったとしても、資金が貯まったら再びリースバック会社から買い戻すことができます。
ただし、思いつきで買い戻せるわけではなく、リースバック契約時に予め買い戻す際の条件を定めておかなければなりません。
買戻しには再売買予約と買戻し特約の2種類があります。
買戻し価格は売却価格の110~130%ほどが目安となります。

Q リースバックとリバースモーゲージとは違うのですか?

A

違います。リバースモーゲージは自宅を担保として、金融機関から年金形式で定期的な融資を受けるサービスです。 融資の上限額は自宅の資産価値に応じて決まります。契約者(家の所有者)が亡くなった後に自宅を売却し、その代金を融資への返済に充てます。 両方とも、自宅に住みつつ自宅を活用して資金を調達する方法ですが、仕組みは異なります。

まとめ

この記事では、老後の資金捻出の際にリースバックと一般的な不動産売却のどちらがお得なのかを解説しました。
今の家にこだわりがなく、かつ時間に余裕がある場合は一般的な不動産売却を選んだ方が高値で売れるため、老後資金を蓄えられます。
今の住み慣れた家に住み続けたく、かつ早急にまとまった資金が必要な場合は、リースバックが適しているでしょう。
弊社でもリースバックのサービスを提供していますので、ご検討している方は是非こちらをご参照ください。
【リビングライフのリースバック】 https://www.living-life.co.jp/kodate/leaseback/

リビングライフは1990年の創立以来、「住まいから始まる幸せの生涯設計を提案する」という理念を掲げ、お客さまと共に歩んでまいりました。
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