不動産購入後の豆知識

住民税の住宅ローン控除

個人が住宅の取得等をして、平成21年から平成33年までの間に居住の用に供した場合に、その年分の住宅ローン控除額からその年分の所得税額(住宅ローン控除の適用がないものとした場合の所得税額)を控除しても控除しきれなかった金額がある場合に、翌年度分の個人住民税において、その残額が控除されます。 ただし、その控除額は、個人が住宅の取得等をして平成26年4月から平成33年12月までの間に居住の用に供し、かつ、その住宅の取得等に係る対価の額又は費用の額に含まれる消費税額等が8%又は10%で課税されている場合の住民税の住宅借入金等特別税額控除の控除限度額は、所得税の課税総所得金額等の合計額の7%(最高136,500円)となります。

消費税率引上げに伴う住宅取得に係るすまい給付金

 平成26年4月1日より消費税率が引上げになったことに伴い給付金が支給されます。
 この制度は、自ら居住する住宅の取得に際し、引上げ後の消費税率が適用される方(契約時に必ず消費税率を確認しましょう。)に給付金が支給されるもので、新築住宅はもちろん、中古住宅(あくまで引上げ後の消費税率が適用されるものですから、宅地建物取引業者等からの購入の場合になります。)も対象となります。
 対象となる住宅は、床面積要件や、指定の検査を受けるなど住宅の品質や耐震性が確認できること等の要件があります。

住宅ローン控除適用のまとめ

 住宅ローン控除の拡充は、あくまでも消費税率引き上げによる負担緩和を目的としていますので、消費税率が8%または10%になるケースにのみ適用されます。そもそも消費税が課税されないケースもしくは旧税率(5%の税率)が適用されるケースは、拡充前のローン減税(借入限度額が一般の住宅で2,000万円、認定住宅で3,000万円)が適用されます。少しわかりづらいですがまとめてみましょう。

項目 制度の概要
一般 認定長期優良住宅の特例
①控除対象
借入金等の額
次の借入金等(償還期間10年以上)の年末残高
①住宅の新築取得
②住宅の取得とともにする敷地の取得
③一定の増改築等
次の借入金等(償還期間10年以上)の年末残高
①住宅の新築
②新築住宅の取得
③住宅の取得とともにする敷地の取得
対象住宅等 主として居住の用に供する
①住宅の新築 床面積50㎡以上
②新築住宅の取得 床面積50㎡l以上
③既存住宅の取得
1)床面積50㎡以上
2)築後20年以内(耐火建築物は25年以内)又は地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準に適合すること
④増改築 床面積50㎡以上
主として居住の用に供する
①住宅の新築
1)認定長期優良住宅であること
2)床面積50㎡以上
②新築住宅の取得
1)認定長期優良住宅であること
2)床面積50㎡以上
適用居住年
控除期間
10年
消費税10%適用
住宅などの特例
13年
※2019年10月1日~2020年12月31日までの期間内に本人が入居した場合の特例
所得要件 合計所得金額 3,000万円以下
上記特例に
該当する場合
控除限度額の一般的計算方法(消費税減税対象の場合):
住宅借入金の年末残高(4,000万円限度)×1%=40万円×10年 最大400万円
特例該当時11年目以降の限度頷の計算方法:
住宅借入金の年末残(4,000万円限度)×1%と建物購入価格高(4,000万円限度)×2%÷3のどちらか小さい方が適用される ※認定長期優良住宅や低炭素住宅の場合は4,000万円→5,000万円に変わります。

長期優良住宅・低炭素住宅については、借入限度額3,000万円、最大控除額300万円

 上記は代表的なケースをまとめたものです。住宅の購入形態・種類等によって適用関係は異なりますので、不明な場合は税務署に直接お尋ね下さい。

ここで一般の住宅を平成26年中に購入して入居した場合の年収別の所得税と住民税の住宅ローン控除額をみてみましょう。(消費税率は8%です)

  ケース1 ケース2 ケース3
家族構成 夫婦と子供1人 夫婦と子供2人 夫婦と子供2人
①住宅借入金の
 年末残高
2,000万円 3,000万円 4,000万円
   給与の年収額 400万円 600万円 800万円
   所得控除額(注) 148万円 155万円 175万円
②課税総所得金額 118万円 271万円 425万円
③ローン控除前の
 所得税額
59,000円 173,500円 422,500円
④所得税の
 住宅ローン
 控除額
①2,000万円×1%
=20万円 > ③59,000円
∴59,000円
①3,000万円<4,000万円∴3,000万円(限度額)
3,000万円×1%
=30万円 > ③173,500円
∴173,500円
①4,000万円≤4,000万円∴4,000万円(限度額)
4,000万円×1%
=40万円 < ③422,500円
∴400,000円
⑤所得税での
 控除残額
200,000 - ④59,000
=141,000円
300,000 - ④173,500
=126,500円
0
⑥住民税の
 住宅ローン
 控除額
②118万円×7%
=82,600 < 136,500(上限)
⑤141,500 > 82,600円
∴82,600円
②271万円×7%
=189,700 > 136,500(上限)
⑤126,500円 < 136,500円
∴126,500円
0
合計控除額 ④ + ⑥
141,600円
④ + ⑥
300,000円
④ + ⑥
400,000円

(注)所得控除額は概算額です。

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