プロジェクトストーリー1

プロジェクトストーリー

出かけるのがもったいない
マンションを、つくろう。

リノベーションマンション
「リリファ八王子北野」開発秘話

仕入れ担当に入った、一本の電話。

某企業が社員寮を手放すことを検討している。そんな情報が舞い込んできたのは、2013年のことだった。築17年と比較的新しく、立地条件も悪くない。こうした好条件の物件は、どこの不動産会社も欲しがる。いかにライバルを先んじて行動できるかが大きな鍵だ。この物件の場合、リビングライフが以前に他の企業の社員寮を仕入れた実績があり、仲介会社と強いパイプを築けていたことが大きかった。正式に売りに出される前に検討し、売り手の希望条件をおよそ把握した上で、入札に参加。無事、物件の入手に成功した。

物件取得時のマンション外観

このままでは、誰も住みたくない。

しかし、いかに好条件の物件を仕入れることができても、最終的に「住みたい」と思ってくれる人がいなければ意味がない。そのマンションの最大のネックは「社員向けの住まい」ということだった。魅力がなければ選ばれないふつうのマンションとちがい、何もしなくても空室が埋まる社員寮は、デザイン性もなければ、間取りもすべて同じ。生活の利便性を上げる設備もなく、このままではおよそ、買い手がつかない。そこでリビングライフは、マンションをすべて改修する「一棟丸ごとリノベーション」を行うことを決めた。

物件取得時のマンション内装

リノベーションの、その先を目指せ。

「新築さながらの家をお手ごろな価格で買うことができる」。それがリノベーションマンションのメリットだ。しかし近年、業界ではこの手法が浸透してきており、それだけでは差別化ができない。リビングライフはまず、ターゲット設定からはじめた。マーケティング会社やポータルサイトなどを使って徹底的に調査。見えてきたのは、「30~40代夫婦と子どもの3~4人家族。まわりとはちがっていたい、自分たち好みに部屋をつくりたい、オリジナリティを重視したい」という人物像だった。彼らが「ここに住みたい!」と思うマンションとは? 試行錯誤の日々がはじまった。

バラバラのチームを、ひとつに。

今までにないリノベーションマンションをつくる。そのために、リビングライフも今までにない試みを導入した。建築部と開発部だけで行なっていた企画に、マーケティング部や営業部が参加。
部門を横断してアイデアを出しあうことにしたのだ。しかしいくつ頭脳があっても、方向性が一致していないと、的外れなアイデアばかり集まってしまう。全員の意識を統一するには、わかりやすいコンセプトが重要だ。設定したのは、「おうちであそぼう」。その物件は敷地が広く、周辺には川やサイクリングコース、BBQのできる公園がある。そのポテンシャルを最大限に発揮すれば、遠出をしなくても、楽しい時間を過ごせる場所にできるはず。こうしたコンセプトをもとにみんなの目線をあわせ、企画を進めた。

みんなの夢と、立ちはだかる現実。

「ツリーハウスはどう?」「中古のバスを改修して図書館にしてみては?」さまざまな部門から、さまざまなアイデアが集まる。しかし、どんなにすぐれたアイデアも、実現できなければ、意味はない。予算はどうか? リスクはないか? 建築担当はひとつひとつ吟味し、企画を精査していく。たとえばツリーハウスは、木が10年後・20年後に腐ってしまい、壊れるかもしれない。バスを置くことは法規上の問題がありそうだ。アイデアを出しては、ボツ、ボツ、ボツの日々。
しかし、弱音を吐く者はいなかった。会議の回数は30回を超えていた。

答えは「生の声」にあった。

「おうちであそぼう」のコンセプトに本当に必要なものは何なのか? 想像で会議をするのではなく、メインターゲットである実際の子育てママによる座談会を企画した。実はこのママ座談会、子育てをする母親たちの本音を聞くために、当社の営業社員の奥さまで元・当社の営業社員でもあった方々に集まってもらい、気兼ねなく意見を言ってもらったのだ。マンションにあったら嬉しい設備や、子どもたちが安心して遊べるために必要なもの……身内だからこそ言えるワガママも何でも言ってもらった。そしてようやく売りとなる企画にたどり着く。社員だけでなく、社員の家族まで一丸となって生まれた企画だ。

たどり着いた「マムカフェ」と「DIY工房」。

「マムカフェ」はマンション住民の誰もが利用できる共有スペース。親しい友人を招いてパーティを開いたり、ママ同士での交流や、子どもが遊んだりできる。これは、ママ座談会で出てきた「家に人を呼びたいが、掃除が面倒」といったニーズを反映したものだ。「DIY工房」は親子でモノづくりが楽しめるワークスペース。子育て応援施設というと母親ばかりがメインで、父親が楽しめるものがほとんどない、ということから生まれた。リノベーションはモノを大切にすることを伝えるのにぴったりだし、DIYの流行もある。こだわったのは創作意欲を掻き立てる空間デザイン。なんとママ座談会に出席してくれた一人が偶然にも設計士だった。こんなにコンセプトを理解している設計士は他に居ない。正式にデザインを依頼し、作業場でありながらカフェのようなオシャレな空間が出来上がった。

想像以上の笑顔が、あふれていた。

こうして2015年9月、リノベーションマンション「リリファ八王子北野」は完成。物件の公開後、販売は順調に推移していった。購入した方々からは感謝の声をいただき、自慢のマムカフェやDIY工房の利用率も上々。住民の中にはDIYの相談に訪れる熱心な方もいた。また、思いがけない出来事もあった。マンションだけでなく、地域全体の住民の交流が活発になったのだ。弾力性のある地面を採用したケンケンパ広場には、近所の子どもたちが自転車の練習をしに訪れ、DIY工房で行われる“椅子づくりイベント”には近隣の方も多く参加。想像していた以上に、幸せそうな笑顔が、そこには溢れていた。それは、企画に関わった多くの人の苦労が報われた瞬間でもあった。

このプロジェクトに携わったメンバー

赤野 一将
赤野 一将
(株)リビングライフ ディベロップメント事業部 建設部 部長
荒川 阿美
荒川 阿美
(株)リビングライフ ディベロップメント事業部 建設部
森田 操
森田 操
(株)リビングライフ マーケティング部 課長
上原 幸司
上原 幸司
(株)リビングライフ マーケティング部 課長代理
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