プロジェクトストーリー2

プロジェクトストーリー

坂道が楽しくなる、
街をつくろう。

サンクタスカーサ横須賀ヒルズ販売秘話

「リビングライフさんなら、早く完売できるのでは」。

ある大手企業からそんな話を持ちかけられたのは、2015年春のことだった。開発総面積約443万㎡、全141区画の大規模分譲地「サンクタスカーサ横須賀ヒルズ」。しかし当時、販売は好調とは言えなかった。この分譲地は山を切り崩して造成しており、上下水道やガス管も新たに引いていたため、周囲と比べ土地代が高くなってしまい、売れ行きは月に1区画ペース。何とか58区画までは契約に至ったものの、このままでは完売まで時間がかかりすぎてしまう。そこで近隣で同じような大規模分譲地を販売した実績があったリビングライフに売却の白羽の矢が立ったのだ。

選択肢のない、選択。

しかしそのリビングライフをしても、引き継いでしばらくはさほど売れ行きは伸びなかった。理由はいくつかある。まず、立地。最寄駅までは徒歩11分程度だが、もともとが山であったためどうしても坂道になる。加えて、建築。購入者は建売住宅を購入するか注文住宅を建てるかを選択することになるが、2社のハウスメーカーからしか選べなかった。うち1社はグレードの高いメーカーで、安く建てようと思ったらもう1社しか選択肢がない。もしそのメーカーの作風が好みに合わなければ、頼めるメーカーがなくなってしまう。こうしたネックが、販売の足かせとなっていた。

注文住宅は建売住宅より価格が高い傾向にある

リビングライフだから出せる、答え。

この状況を打破すべく、リビングライフはまず、指定のハウスメーカーを10社に増やした。というのも、「場所を買う」意識が強い東京都内のお客さまと違い、このエリアのお客さまは「空間を買う」意識が強く、住宅自体の付加価値が重要であることを、この土地で大規模分譲地を販売した経験のあるリビングライフは知っていたからだ。そこでグループ会社である東横建設とタッグを組み、数区画の建売住宅の企画に取り組んだ。リビングライフの強みである「総合不動産」を最大限に活かした動きだった。

最大の短所を、最高の長所に。

選んだ区画は、高台にあるやや不人気な不整形地(いびつな土地)。四角い建物を建てづらいため、お客さまにとってはどんな建物が建つか想像しづらく、設計にとっても土地をどう使うか悩みどころだ。中でも特に設計を悩ませたのは、「何を売りにするか」だ。試行錯誤の末たどり着いたのは、「眺望」というコンセプトだった。その区画は高台にあるからこそ遠くまで見渡せ、遮るものがなく明るい日の光が降り注ぐ。そこで、その土地でもっとも眺めの良い場所を、一家が集まる団らんスペースにできるよう設計。さらにその眺望を最大限に活かす屋根付きのテラスをつくった。空が近く邪魔するものが何もない、高台ならではの解放感を感じられる、名付けて「空テラス。」会心の設計。ところがそれが、また別の問題を生み出すことになる。

建築担当を襲う、予想外の問題たち。

「眺望を楽しめること」を優先したことで、その家は、形状がデコボコになっていた。手間がかかるため、建築コストが上がってしまう。さらに実際の工事をはじめると、予想外の問題も発覚。地盤が岩のように硬く、通常の重機では歯が立たなかったのだ。また建物の計画上、平地部分に足場を組みきれず、崖下まで伸ばす必要も出てきた。装備の見直しや足場の再設計などにより、基礎工事のボリュームは予定より拡大。人件費は膨らんだ。それを販売価格に転嫁すれば、注文住宅よりも比較的安価に購入できるという建売住宅のメリットが薄れてしまう。しかし、東横建設の建築担当はあきらめなかった。まず、ひたすら職人さんに頭を下げ、協力を要請。さらに建築の過程で何度も検証を重ね、改善を繰り返した。そうした努力の積み重ねにより、最終的にコストを予定の範囲内に収めることに成功。無事、建売住宅を完成させることができた。

視点を変えた。売れ行きが変わった。

ネックであったはずの「高台の不整形地」という立地に「眺望」という付加価値をつけて建築した物件はお客さまから好評で、瞬く間に契約が成立。その結果を受け、リビングライフは建売住宅を販売する方針へと一気に舵を切り、東横建設以外の複数のメーカーにも設計を依頼。ラインナップを増やし、販売ペースは飛躍的に上がった。スタッフが分譲地の清掃などをしていると、「買ってよかった」「家から花火が見られて最高」など、住民から声をかけられるという。ご契約いただいたお客さまが知人を紹介するかたちで、契約がまとまるケースも出てきた。ご購入者さまたちの満足度は、とても高い。

安全な街で、安心できる暮らしを。

サンクタスカーサ横須賀ヒルズを購入したお客さまの満足度を高めるものは、それだけではない。街区内には広々とした公園を2つ配置したことで、家のすぐ近くで子どもたちを安心して遊ばせられ、住民同士のコミュニティの場にもなっている。防犯面でも、通り抜けができないつくりにして居住者以外の車の侵入を抑え、防犯カメラの設置に加え警備会社による1日2回の不定期巡回も実施。更には、集会所には非常時に防災拠点となる備蓄を備えた。ソーラー発電・畜電池やタンカ、防水シートなど家庭では準備が難しいものも揃えている。まさに、大規模分譲だからできる街づくりだ。「家探しは、環境探しでもあります。物件への工夫はもちろん、街そのものの魅力を高める取り組みで、そこに住むご家族が満足度の高い生活が送れるよう、我々は考え続けます」。そう語りながら、担当者たちは力強くうなずいた。

このプロジェクトに携わったメンバー

近藤 智紀
近藤 智紀
(株)リビングライフ ディベロップメント事業部 営業部 次長
橋本 健一
橋本 健一
(株)東横建設 建設事業部 次長代理
橋本 洋次郎
橋本 洋次郎
(株)リビングライフ ディベロップメント事業部 建設部
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