グループ力・ものづくり

他社ができないこと、リビングライフホールディングスならできること。

登場人物

関 敏男
関 敏男
(株)リビングコミュニティ
マンション管理部 課長
赤野 一将
赤野 一将
(株)リビングライフ
ディベロップメント事業部 建設部 部長
荒川 阿美
荒川 阿美
(株)リビングライフ
ディベロップメント事業部 建設部 主任

まず、みなさんのお仕事について教えてください。

関 敏男
私は現在、リビングコミュニティのマンション管理部に在籍しているのですが、以前はディベロップメント事業部で15年、新築マンションやリノベーションマンション、大規模分譲宅地の販売営業を行なっていました。
赤野 一将
建設部の役割としては、おもに物件の開発です。土地の仕入れ段階から意見を出し、企画・設計に着工後は現場監理。引渡し後はアフターサービスとしてリフォームの相談に乗るなど、幅広い業務を担っています。
荒川 阿美
私は、営業から建設部に異動しました。大学で建築学科を卒業したこともあり、ずっと企画の仕事がしたいと思っていて。念願が叶って現在は、決まった予算のなかで間取りやインテリア、デザインなどを考える、商品企画を担当しています。

この3名で携わった物件で、
思い出に残っているものはありますか?

関 敏男
ありますね。元々社宅だった物件を一棟まるごとフルリノベーションした分譲マンションがありまして。その販売営業を担当していたのですが、車イスで生活しやすい部屋にリノベーションして欲しいというお客さまを対応したことがあります。
荒川 阿美
覚えています。旦那さまが車イスで生活されていたご夫婦ですよね。私は上司である赤野さんにサポートしてもらいながら、物件の企画から引渡しまでを担当させてもらいました。
関 敏男
このお客さまは他にも不動産会社を何社もまわったんだけど、要望に応えてくれるところがなかったんだよね。門前払いされたこともあったらしくて、とにかく不満がたくさんあったし、不動産会社に対していいイメージを持っていなかった。だから初めは心を閉ざしているような印象でコミュニケーションを取るのがすごく難しかったのを覚えています。
赤野 一将
私が建設部としてリノベーションの具体的なご要望を伺うためにお会いしたときも「どうせムリなんでしょ?」といった雰囲気でした。それでも関さんの方で「できるだけのことは叶えたいと思っている」という誠意をずっと伝えてくれていたので、徐々にお客さまも心を開いてくれるようになって。ただ、お客さまの要望が明確になり建設部として対応できそうだと分かっても、すぐには動けませんでした。
荒川 阿美
ひと組のお客さまのために、ひと部屋だけ特殊なリノベーションを施すのは前例のないことだったので、このまま契約をして話を進めていいのか、建設部だけでは判断できなかったんです。
赤野 一将
そう、会社として判断する必要があった。たとえばお客さまの要望通りに工事を進めたとして、途中で解約されてしまう可能性だってある。契約上では元に戻すためのお金はお客さまの負担となっているけれど、かなりの金額になることが予想できたからお客さまにそのリスクを負わせるのも無責任だろうと。そこで、社内で新たな規定を作ろうという話になった。
関 敏男
そうそう。営業と開発の責任者でディスカッションを行い、解約になってしまったときに再販できるか、つまり「お客さまへの負担もなく、そのままの状態で他のお客さまに販売できるかどうか」をひとつの指標にしよう、という新しいルールを決めたんだよね。
赤野 一将
そこからは図面を書いて、会社に通して、代表まで持っていって「これだったら再販できそうだね」と承認をもらって。ようやく本格的に動きだすことになったんですよね。
荒川 阿美
一組のお客さまのために、新たに社内ルールをつくるってすごいことですよね。
関 敏男
ほんと、前代未聞だよね(笑)。

とくにこだわった点などはありますか。

赤野 一将
そこで言うと、荒川がいろいろとアイデアを出してくれました。
荒川 阿美
はい、頑張りました(笑)。たとえば玄関部分。室内用と屋外用で車イスを使い分けている方だったので、玄関に車イスが置けるスペースがあれば便利なのではと思ったんです。そこで、下駄箱を床ではなく腰高くらいの位置に設置して、その下に車イス1台分のスペースを確保しました。あとはトイレの扉を広くしたいという要望があったので、真っすぐな1枚の扉ではなく2つ折れの扉にすることで開口部を広くするとか、試行錯誤の連続でした。
関 敏男
なかなか特殊な物件だったと思うんだけど、大変じゃなかった?
荒川 阿美
車イスで生活されるお客さま向けの設計は初めてだったので、とにかく調べましたね。ただ、介護施設などに使われている製品を調べているうちに、これはやりすぎかな? とも思うようになったんです。
赤野 一将
特別扱いをしすぎてしまうと、それはそれで失礼なんじゃないかということ?
荒川 阿美
そうなんです。お客さまの要望を聞いてると「ここに手すりが1本あれば充分です」とか、想像していたよりも一人でできることが多いということに気づいて。そう考えると、既製品でもちょっと使い方を変えるだけで便利になるものがたくさんあったんです。
関 敏男
細かいところまで気を配ってくれているとは感じていたけど、ここまでとは。
赤野 一将
そんな荒川の頑張りもあって、最初は半信半疑だったお客さまでしたが、提案を重ねるたびに、徐々に前のめりになって聞いてくれるようになりました。次第に表情も明るくなり「これだったら僕も一人でできるね」「ここは私がやれば良いね」という会話も生まれてきて。私たちの提案がお客さまのなかで「不動産屋としてではなく自分たちのことを考えてしてくれている」と認識して頂けたので、その後はスムーズでしたね。
荒川 阿美
打ち合わせ自体は2ヵ月で終わり、その4ヵ月後には工事も終了し無事にお引渡しの日を迎えることができました。感謝の言葉をいただけたことも嬉しかったのですが、ご夫婦で室内の動線や設備などを一つひとつ「これだったら大丈夫だね」「これは便利だなぁ」と嬉しそうに確認されていたのが特に印象的でした。

他社がさじを投げるなか、
なぜリビングライフは
実現させることができたのですか。

関 敏男
まさにグループの力があったからこそだと思っています。中古物件を販売する仲介会社というのは、設計部門を持っているわけでもないし、建築するわけでもない。だから要望に応えられず「物件を買ってから自分でリフォームしてください」という対応になってしまうんです。でも、うちなら販売と建築部門がひとつになって提案ができるんです。
赤野 一将
建設部としてはお客さまのために社内規定を作った、という部分が大きいのかな。営業の経験もある荒川はとしてはどう?
荒川 阿美
そうですね、今回はたまたま車イスで生活できる部屋が欲しいという悩みでしたが、お客さまによっては「他社で住宅ローンの審査が通らなくて…」とか、住宅購入にあたって何かしら悩みを抱えているケースが多いんです。お客さまのご相談に向き合うという事をうちの営業は当たり前にやっていて、なんとか希望を叶えるために、建設部だけでなくその他の専門部署やグループ会社にも相談するというのが「普通」なんです。なので、建設部としては「特殊」な設計ではあったけど、「特別」なことをしたという意識はないです。
関 敏男
素晴らしい。優秀な部下を持って、幸せだね。
赤野 一将
おかげさまで部下には恵まれているんです。
荒川 阿美
やめてください(笑)。
関 敏男 赤野 一将
(笑い)
pagetop