一括査定 不動産一括査定とは?依頼すると本当にお得になるのか?

不動産の一括査定というサービスをご存知でしょうか。
通常、不動産の売買には不動産会社が介入し、その営業力とノウハウで売主・買主双方にとってできるだけよい条件の取引を斡旋します。不動産会社はその際、売主・買主から共に成約価格の3.3%の金額を仲介手数料として受け取り報酬を得ます。従って、売主が物件をより高く売るためには、営業力やノウハウのある不動産会社をパートナーに選び売却を託すことが重要です。しかし、パートナーを慎重に選ぼうとすると手間と時間がかかってしまいます。
まず不動産会社を何件かピックアップし、その都度物件の情報を伝えなければなりません。そして、それぞれに「どのくらいの価格なら物件が売れるかという予想額(=査定価格)」を提示してもらい、各不動産会社の特徴を比較して誠実なところを見極めなければならないのです。
一括査定は、こういった売主の負担を軽減してくれるサービスです。
複数の不動産会社から査定価格を手軽に提示してもらうことができるので、不動産の売却を考えている場合には利用してみたくなるでしょう。しかし利用の前に是非覚えておいてほしいことがあります。
それは、「一括査定には根本的な問題点がある」ということです。
この記事では「一括査定とはなにか」その問題点、メリット・デメリットなどについて詳しくお伝えしていきます。是非最後までご覧いただき、不動産売却時に少しでも満足できるように役立てていただければ幸いです。

一括査定とは

一括査定とは、「所有物件がどのくらいの価格なら売れるかという予想額(=査定価格)」の提示を、同時に複数の不動産会社へ依頼できるサービスのことです。
売主は一括査定のサービスを提供しているWebページ(=一括査定サイト)を訪問して物件や所有者の情報を入力することで、提携している不動産会社へまとめて査定の申し込みができます。

査定方法には机上査定と訪問査定の2種類があります。

机上査定…住所・面積・間取り・築年数など、一括査定サイトに入力した情報から査定価格を算出する方法。
所要時間は即日~数日。

訪問査定…実際に現地におもむき、データからだけではわからない日当たりや利便性、不動産の状態などの
調査に基づいて査定価格を算出する方法。精度が高く、所要時間は1~2週間ほど。

一括査定のサイトでは査定方法を入力するフォームがあるので、希望の方法どちらかを選びましょう。

メリット

一括査定には次のようなメリットがあります。

手軽に査定価格を比較できる
適正価格を把握しやすい
査定依頼の候補を絞る際に効率的
机上査定を同一条件で比較できる
無料で利用できる

一つひとつ詳しくみていきましょう。

1手軽に査定価格を比較できる

一括査定を利用すると、手軽に査定価格を比較できます。
何社かからの査定価格を比較したい場合、通常なら目ぼしい不動産会社を調べ、1社1社に連絡をとって物件や所有者の情報をその都度伝えなければなりません。
しかし一括査定なら、不動産会社へ電話をしたり直接足を運んだりすることもなく、一括査定サイトへの一回の入力で複数の会社へ査定依頼ができます。また不動産会社の営業時間を気にせず、いつでも申し込み可能です。
査定までの手間や時間が大幅に抑えられることは、一括査定最大の魅力といっていいでしょう。

2適正価格を把握しやすい

一括査定を利用すると、適正価格を把握しやすくなります。
一社からだけの査定では、本当にその価格が適正であるのか判断がつきません。
その点、一括査定で複数社からの査定価格を比較すれば、自分の所有不動産がどの程度の査定価格であるのか大体の目安がつきます。
もし契約を取りたいがために市場価格から乖離した高い査定額を提示してくる不動産会社があったとしても、平均的な価格帯から逸脱していればおかしいと判断できます。

3査定依頼の候補を絞る際に効率的

一括査定を利用すると、査定依頼の候補を絞る際に効率的です。
不動産会社にも各々特色があり、物件の種類やエリアなどにおいて得意分野が異なります。
例えば、マンション売却のノウハウがある、中古物件に強い、独自の売却ルートを開拓している、サポートが手厚い、などです。
そういった不動産会社の強み・弱みを自分で1社1社確認していくのは非常に骨が折れるでしょう。
しかし一括査定を利用すれば、自分の所有する物件の種類やエリアに強い不動産会社を条件の入力だけで絞ることができます。

4机上査定を同一条件で比較できる

一括査定を利用すると、机上査定を同一条件で比較できます。
机上査定には統一された基準がないので、方法は不動産会社によって異なります。
しかし査定価格の算出基準が違うと、売主は提示された査定価格を公平に評価できません。
その点一括査定の場合、サイトへの入力条件は同じであるので、査定価格を公平に判断できます。

5無料で利用できる

一括査定サービスは、無料で利用できます。
サイトの運営費は提携している不動産会社の登録料や紹介料、手数料などでまかなわれています。
そのため、査定を申し込む利用者への費用は一切かかりません。
一方、不動産会社側は査定価格を算出するための作業に加え、一括査定サイトにも上記の諸々の利用料を支払っています。

デメリット

一括査定には次のようなデメリットがあります。

個人情報を開示しなければならない
営業の電話がしつこいことがある
全ての不動産会社を網羅しているわけではない
査定価格が信頼できるとは限らない
(査定価格をわざと高めに出す傾向がある)


一つひとつ詳しくみていきましょう。

1個人情報を開示しなければならない

一括査定を利用すると、不動産会社に個人情報を開示しなければなりません。
査定を依頼する際には連絡先として、氏名・年齢・電話番号などを入力する必要があります。また所有物件の住所や財産としての価値も不動産会社に知られることになります。
そのため個人情報への危機管理が甘いところに査定依頼をすると、情報が流出してしまうケースも考えられます。 
一括査定を依頼する際は情報漏洩の可能性も考慮し、信頼できるサイトや不動産会社を慎重に選びましょう。

2営業の電話が複数社からかかってくることがある

一括査定を利用すると、営業の電話が査定をした複数社から何度もかかってくることがあります。
依頼する数が多いほどかかってくる電話も多くなるので、なるべく電話を避けたい場合は、査定時に「メール希望」と伝えておくだけでも効果的です。誠実な対応をする不動産会社はもちろん多く存在しますが、中には依頼をとろうとしつこく連絡をしてくる不動産会社も紛れているので気をつけてください。査定を依頼する目的は、あくまでも相性の良い不動産会社を探すことなので、ある程度候補が絞られていた方が、効率よく不動産会社を探せるでしょう。

3全ての不動産会社を網羅しているわけではない

一括査定のサイトは、全ての不動産会社を網羅しているわけではありません。

▶国土交通省「令和4年度宅地建物取引業法の施行状況調査結果について」

では、令和5年3月末時点での宅地建物取引業者数が129,604 社となっています。
一方、大手一括査定サイトの提携不動産会社は次のように公表されています。

HOME’S → 4,600社ほど
HOME4U → 2,300社ほど
イエウール → 2,000社ほど
すまいValue → 875社ほど

数値を見てみると、この中で提携不動産会社数が一番多いHOME‘Sでも全不動産会社数の3.6%ほどしか登録していないことがわかります。
一括査定サイトを利用すると登録していない優良会社を取りこぼし、逆に選択肢を狭めてしまうことも考えられます。

4査定価格が信頼できるとは限らない(査定価格をわざと高めに出す傾向がある)

一括査定を利用しても、査定価格が信頼できるとは限りません。
同時に複数の不動産会社に査定依頼を出すという一括査定サイトの仕組み上、不動産会社がライバル達に差をつけるために査定価格を高く設定する場合があるからです。
不動産会社からすると、査定依頼を正式な媒介契約(不動産会社に家の買主探しの仲介を依頼する契約)までつなげないと報酬が得られません。そこで売主に競合会社の中から選んでもらうために、査定価格を上げることで優位に立とうとするのです。
一社でも査定価格の釣り上げを行うと、対抗するために他社もそれにならい、査定価格がどんどんインフレしていく風潮がサイト内に生まれてしまいます。
しかし本来の価値以上の高額な査定価格で売り出しても、実際に物件がその通りの値段で売れるかはまた別の話です。
査定価格を提示した会社が直接買い取ってくれる車の一括査定と違って、不動産の一括査定では査定価格を提示する会社と実際の購入者が異なるからです。
もし物件が売れない場合は値引きすることになるので、査定価格通りの値段で購入してくれる人が現れなければ、査定価格には意味がなくなってしまいます。
このように、一括査定のサービスを有益に利用するには、提示される査定価格が信頼できるかどうかが大きなカギとなります。
また、一括査定サイトと提携している不動産会社は、査定依頼を1度受けるごとにサイトに対して紹介料を支払っています。
この紹介料も、査定価格の釣り上げやしつこい営業電話に拍車をかけます。
例えば1つの査定依頼を10社で共有する場合、単純に考えると媒介契約を受注できるのは10分の1回です。
仮に紹介1回あたりの料金が1万円だとすると、平均して10万円支払ってはじめて契約までこぎつけられることになります。
不動産会社は紹介料を無駄にしたくない、回収したいという思いから、査定依頼(=媒介契約のチャンス)をどうにか逃がすまいと必死になるのです。

結局、一括査定は利用した方がよいの?

ここまで一括査定のメリット・デメリットをお伝えしてきました。
結局のところ、一括査定は利用した方がよいの?利用しない方がよいの?と疑問に思われる方もいらっしゃるでしょう。
結論からいうと、一括査定は利用しなくても全く問題ありません。
査定価格が信用できないなら、一括査定を利用する意味がない
からです。

利益優先の不動産会社が競合会社の中で優位に立とうとした結果、一括査定サイト内では根拠のない高額査定での集客や無理な営業が横行しています。

そのため、はじめは一括査定に参加していた良心的な不動産会社が一括査定サイトから撤退していきました。現状、一括査定サイトで信用のおける不動産会社に巡り会える可能性は極めて低いといえます。
所有物件を高く売るには結局のところ、一括査定サイトに登録していない誠実な不動産会社に依頼するのが一番です。
せっかくの良心的な不動産会社を見逃し、わざわざ一握りの参加企業で成り立っている一括査定サイトでパートナーを選ぶ必要はありません。多少の手間や時間はかかるかもしれませんが、「急がば回れ」というように、親身に協力してくれる不動産会社を地道に探して不動産売却を成功させましょう。

それでも一括査定を使いたい場合の、サイト選びのポイント

それでもどうしても一括査定を使いたい!という場合には、サイト選びの際に次のポイントを押さえてください。

1登録会社数が多いか

登録会社数が多いかをチェックしましょう。
不動産会社もそれぞれ特色があり、物件の種類やエリアなど得意とする分野が異なります。そして、万全のサポートを強みとしている大企業と地元の情報に精通している中小企業とでも提供できるサービスは違ってきます。なるべく多くの不動産会社と提携しているサイトを選び、選択肢を広げましょう。また、登録会社数が多いのはこれまでの実績があるからこそであり、信頼できるサイトとみなす一つの目安にもなるでしょう。

21回に査定依頼できる会社数が多すぎないか

1回に査定依頼できる会社数が多すぎないかをチェックしましょう。
通常、サイト側は紹介料が手に入るので査定依頼できる会社数をなるべく増やしたいと考えます。
しかし、不動産会社側は査定依頼先が多いと受注率が下がってしまいます。
そのため査定依頼できる会社数があまりにも多いサイトは、査定価格の釣り上げやしつこい営業の温床になることが予想されます。1回に査定を依頼できる会社数は各サイト毎にバラバラですが、10社のように多いところは避けたほうがよいでしょう。5社程度が良心的です。

3信頼度が高いか

サイトの信頼度が高いかをチェックしましょう。 信頼度をはかるには、「個人情報に対するセキュリティ」と「サイトの誠実性」の2つの観点から考える必要があります。

個人情報の取り扱い

個人情報の取り扱いがしっかりしているかの具体的な目安としては、次のようなことを参考にするとよいでしょう。

サイト内にプライバシーポリシーが明記されているか
認定マークを取得しているか

主な認定マークには次のものがあります。

プライバシーマーク ISMS認証マーク

出典:JIPDEC (一般財団法人日本情報経済社会推進協会)

https://www.jipdec.or.jp/

プライバシーマークは日本工業規格JISQ15001:2006に則り、個人情報の保護が適切に行われていることを証明します。

出典:ISMS-AC
(情報マネジメントシステム認定センター)

https://isms.jp/

ISMS認証マークは国際標準規格 ISO/IEC27001:2013(日本工業規格JISQ27001:2014)に則り、情報資産全般を守るための管理がされていることを証明します。

誠実さ

利用者に対して誠実なサイトであるかどうかの確認方法には、次のような方法があります。

口コミを確認
サイトパトロールを実施しているサイトを選ぶ

一括査定サイトの口コミを紹介しているランキングサイトやSNS上での感想を参考にして、満足度が高く評判がよいところを選びましょう。また、一括査定サイトの中には、悪質な不動産会社に対して警告したり提携を解除したりという処置を行っているサイトもあります。
このようにサイトパトロールを実施しているサイトであれば、サイト内から悪徳業者が排除され安心して利用できるでしょう。

少しでも高く売るためには

所有物件を少しでも高く売るためには、次のようなことに気をつけましょう。

1色々なタイプの不動産会社に査定を依頼する

登録会社数が多いかをチェックしましょう。
不動産会社もそれぞれ特色があり、物件の種類やエリアなど得意とする分野が異なります。そして、万全のサポートを強みとしている大企業と地元の情報に精通している中小企業とでも提供できるサービスは違ってきます。なるべく多くの不動産会社と提携しているサイトを選び、選択肢を広げましょう。また、登録会社数が多いのはこれまでの実績があるからこそであり、信頼できるサイトとみなす一つの目安にもなるでしょう。

2査定価格の根拠を確認する

少しでも高く売るためには、査定価格の根拠を確認することが大切です。
不動産会社が自社を選んでほしいがために意図的に高く設定した査定価格では、提示されても意味がありません。
客観的な理由がない高額査定は、媒介契約を取るための釣りです。世間には、明確な根拠がないのに高額の査定価格を提示し、とにかく勢いで媒介契約を取ろうとする不動産会社も存在するので注意しましょう。
査定において不明な点があったら遠慮なく担当者に質問し、納得いくまで疑問点を解消しましょう。

3タイミングを図る

少しでも高く売るためには、売るタイミングを図ることが大切です。
1年間を通して考えると成約件数にはサイクルがあり、不動産物件には売れやすい時期と売れにくい時期が存在するからです。

首都圏での中古戸建成約件数と中古マンション成約件数をグラフ1.に示します。

グラフ1. 2017~2021年における首都圏での中古戸建・マンションの成約件数

出典:公益社団法人・全国宅地建物取引業協会連合会不動産総合研究所「不動産市場動向データ集」

グラフ1.に見られるように、年度が変わる直前は引っ越し時期であるため、毎年3月は成約件数が伸びています。
反対に、移動が少なく落ち着く時期の1月・8月は成約件数は落ち込む傾向にあります。
この他にも、物件の価格は不動産市場の動向の影響を受けて変動します。
例えば、近隣に似たような広さ・間取り・築年数などの競合物件が複数ある場合は価格を下げないと売れなくなってしまうでしょう。
また、人気エリアや話題の物件タイプとしてメディアに取り上げられれば、注目が集まり需要が高まります。
このように、物件を高額で売るにはタイミングを見極めて市場に出すことも重要となります。

4リフォームやハウスクリーニングは特にしない

少しでも高く売ろうと、リフォームやハウスクリーニングをする必要は特にありません。
リフォーム代やハウスクリーニング代の方が売却価格への上乗せ分より高くつき、費用対効果を得られないことが多いからです。
中古物件に求められる要素は、立地や広さ、新築物件よりも安めの価格帯です。
買主側も設備の古さや多少の汚れは想定しており、またリフォームするにしても自分の好みを反映して改築したいでしょう。
それでもどうしても汚れや匂いが気になる場合は、不動産会社に相談してみましょう。
安く実施してくれる業者を紹介してくれる可能性もあります。

5自分でも相場を把握しておく

少しでも高く売るためには、自分でも相場を把握しておくことが大切です。

相場の確認方法としては、次のようなURLが参考になります。

【物件情報】

公益財団法人・不動産流通機構「REINS Market Information」

http://www.contract.reins.or.jp/search/displayAreaConditionBLogic.do

【土地情報】
公示価格

国土交通省「国土交通省地価公示・都道府県地価調査」

https://www.land.mlit.go.jp/landPrice/AriaServlet?MOD=0&TYP=0

国土交通省「土地総合情報システム」

https://www.land.mlit.go.jp/webland/

公示価格とは国土交通省によって定められる、毎年の基準日(1月1日)時点での「土地1 m2当たりの適正とされる評価額」のことです。土地取引の指標となり、例年3月下旬頃に公表されます。

路線価

国税庁「路線価図・評価倍率表」

https://www.rosenka.nta.go.jp/

一般財団法人・資産評価システム研究センター「全国地価マップ」

https://www.chikamap.jp/chikamap/Portal?mid=216

路線価とは国税庁によって定められる、毎年の基準日(1月1日)時点での「路線に面する宅地の1 m2当たりの評価額」のことです。相続税・贈与税の指標となり、例年7月に公表されます。路線価は公示価格のおおよそ8割ほどとなることが多いようです。

Q&A
Q一括査定のサービスは無料で利用できますか?

A

無料で利用できます。
サイトの運営費は提携している不動産会社の登録料や紹介料、手数料などでまかなわれています。そのため、査定を申し込む利用者への費用は一切かかりません。

Q媒介契約にはどういった種類があるのですか?

A

媒介契約には次の3つの種類があります。

■ 専任媒介契約 契約は1社とのみ結び、売主本人が自力で買主を探した場合は仲介手数料が不要。
不動産会社はREINS(※)への登録義務あり。
■ 専属専任媒介契約 契約は1社とのみ結び、売主本人が自力で買主を探した場合も仲介手数料が必要。
不動産会社はREINSへの登録義務あり。
■ 一般媒介契約 契約は複数社と結ぶことができ、売主本人が自力で買主を探した場合は仲介手数料が不要。
不動産会社のREINSへの登録義務はなし。

※ REINS(Real Estate Information Network System不動産流通標準情報システム)…国土交通省によって指定された公益財団法人・不動産流通機構が運営している、物件情報が共有されている不動産会社専用の検索サイト。

各媒介契約の特徴を表1.に示します。

表1. 各媒介契約の特徴
専任媒介契約 専属専任媒介契約 一般媒介契約
契約社数 1社 1社 複数社
売主本人が自力で買主を探した場合の手数料 不要 不要
REINSへの登録義務 有(7日以内) 有(5日以内)
売主への状況報告義務 2週間に1回以上 1週間に1回以上
契約期間 最長3ヶ月 最長3ヶ月 規定なし(3ヶ月間推奨)
メリット 1社のみと契約のため、不動産会社のモチベーションが上がりやすい。

REINSへ登録するので、物件情報が広まりやすい。
1社のみと契約のため、不動産会社のモチベーションが上がりやすい。

REINSへ登録するので、物件情報が広まりやすい。
複数社の販売ルートを利用できる。
デメリット 囲い込み(物件情報を独占して自社の利益を高くする行為)の可能性がある。 囲い込み(物件情報を独占して自社の利益を高くする行為)の可能性がある。 他社で買主が見つかった場合には報酬を得られないため、販売活動に力を入れてもらえない可能性がある。
Q媒介契約の期間中に物件が売れなかったらどうすればよいのですか?

A

契約期間が過ぎても物件が売れなかった場合は契約内容を見直す必要があります。
現状でよいのならそのまま更新を、売り方を変えたい場合は別の種類の媒介契約や不動産会社への変更を検討しましょう。
売れない期間が続くと、不動産会社から値引きを持ちかけられる可能性があります。
値引き交渉に応じるかどうかは任意なので、どうしても値下げしたくない場合は強気のまま価格設定を変えなくても構いません。
ただスケジュールに余裕がなく早めに売却したい場合は、次の点を考慮して値下げを視野に入れるのもよいかもしれません。

■ 問い合わせ数や広告ページへのアクセス数といった物件への反響
■ 近隣エリア・似た物件の成約価格の過去相場
■ 物件の成約件数が多い時期(3月頃)までの期間


また最初から値引きを想定して、売り出し価格に予め値引き額分を上乗せしておくという手もあります。値引き額の相場は売り出し価格の5~10%ほどであるので、例えば3,000万円で売りたい場合は3,150万円で売り出し、いざ値引き交渉があれば3,000万円までの範囲内で交渉に応じるとよいでしょう。

Q査定価格・売り出し価格・成約価格はどう違うのですか?

A

査定価格・売り出し価格・成約価格は、紛らわしいですがそれぞれ次のように別の意味を持ちます。

■ 査定価格 物件の条件(エリア・面積・間取り・築年数など)やその時の不動産市場の動向(競合物件の有無・人気エリアかなど)、今までの実績などから総合的に判断される、「いくらで売れるのか?」という予想額
■ 売り出し価格 最初にREINSや広告に掲載する価格
■ 成約価格 最終的に売買が成立した時の価格

査定価格は、誠実な不動産会社からの提示でないと信憑性がなく、成約価格との差が大きくなることがあります。
高額で提示されたからといって、その通りの価格で売れるかはまた別であるので注意が必要です。
売り出し価格は、査定価格と売主の希望価格をすり合わせて決定します。
安めに設定すると利益が少なくなってしまい高めに設定すると中々売れないため、見極めが重要です。
成約価格は、売主と買主との交渉で決まります。
交渉を有利に進めるために、査定価格の根拠を明確にしてアピールポイントを整理しておきましょう。

Q査定依頼や売却契約の時に準備しておいた方がよい書類はありますか?

A

査定依頼時に準備しておいた方がよい書類は次の通りです。

■ 登記事項証明書
■ 公図
■ 土地の測量図
■ 建物の図面

いずれも法務局やインターネット上の「登記・供託オンライン申請システム」https://www.touki-kyoutaku-online.moj.go.jp/ で取得可能です。

また、マンションの場合には以下の書類も準備しておいた方が、査定がスムーズに進むでしょう。

■ 管理規約
■ 維持費、管理費、修繕積立金に関する書類


売却契約時に準備しておいた方がよい書類は次の通りです。

■ 身分証明書(マイナンバーカード、運転免許証、パスポートなど)
■ 実印と印鑑証明書
■ 権利証(登記識別情報通知、登記済証)
■ 固定資産税納税通知書

Q住宅ローンの返済が残っている場合でも、家の売却はできますか?

A

住宅ローンの返済が残っている場合に家の売却をするには、住宅ローンを完済し、債権者の持っている抵当権を抹消する必要があります。住宅ローンの返済が残っている物件は債権者である金融機関が抵当権を設定しており、売主のローン返済が滞った時に債権者が家を競売にかけることができます。すると買主は代金を払ったにも関わらず、家を失ってしまいます。従って、家を売るためには先に抵当権を抹消する(ローンを完済する)必要があるのです。 そのため住宅ローンが残っている場合、

アンダーローン (売却代金で住宅ローンを完済できる)であれば、家の売却が可能
オーバーローン (売却代金より住宅ローンの残額の方が多く完済できない)であれば、家の売却は不可

としている不動産会社が多いでしょう。
ただし、不動産会社によっては

・債権者に合意をとった上での任意売却
・ローン残高も加味した住み替えローンのプラン

などに対応しているところもあるので、まずは担当者に相談してみましょう。

Q不動産の売却にかかる費用にはどういったものがあるのですか?

A

不動産の売却には、主に次のような費用がかかります。

■ 不動産会社に支払う仲介手数料
■ 売買契約書に貼付する収入印紙の印紙税
■ 抵当権抹消登記費用(不動産に抵当権が設定されている場合)
■ 住所変更登記費用(登記簿の所有者住所と住民票の住所が異なる場合)

まとめ

この記事では「一括査定とはなにか」その問題点、メリット・デメリットなどについてお伝えいたしました。
売主に都合よく便利に見えても、実は信用できない一括査定。
もし利用する時は、そのカラクリをよく理解して誠意のない不動産会社に騙されないようにしましょう。
少しでもご所有の物件が高く売却できるように、お伝えした内容を参考にしていただければ幸いです。
リビングライフは1990年の創立以来、「住まいから始まる幸せの生涯設計を提案する」という理念を掲げ、お客さまと共に歩んでまいりました。
これからも不動産売買・賃貸の仲介や節税・資金計画へのアドバイスなど、不動産についてのサポートを通じて皆さまに寄り添い、ニーズに応えられる会社であり続けたいと考えております。
大田区・品川区を中心とした東京城南エリア、川崎市・横浜市を中心にした神奈川エリアでサービスを提供いたしておりますので、是非いつでもお気軽にご相談ください。

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